商品紹介

冷間・熱間鍛造用金型溶接補修システムJSE システム

■ 冷間・熱間鍛造用金型の溶接補修

長い間、金型は溶接補修すると新品に比べ耐久性が劣化すると考えられていました。然しながら、今日適温で損傷適所を優れた機能を有する溶接棒で補修すると、新品と同等か、それより優れた耐久性を有することが判明しています。
インプレッションのコーナーR部位に生じたクラックやインロー部位に生じたカジリ摩耗部などはスカッフィングで除去し、グラインダーで研削後、これを適温までゆっくり加熱後、炉内で溶接し、後熱して下さい。

■ 加熱速度

今日、これらの金型は合金工具鋼(SKD・SKT・SCM)で作られています。補修する温度は、通常Ms点上150〜200℃、SKD61を例に取ればMs点が250±20℃ですので、溶接補修時の加熱温度は400〜450℃となります。
但し、金型を400〜450℃の炉に直接装入するとMs点が上昇し、マルテンサイトは靱性のあるトルースタイトになかなか変化せず、この条件下で溶接するとミクロな亀裂を生じます。従って、汎用の金型は常温より数時間かけ、溶接温度まで徐々に加熱することが肝要で、以後の溶接作業も恒温の炉内で行うことが大切です。
Ms点[℃]=550-361×(%C)-39(%Mn)-35×(%V)-20×(%Cr)-17×(%Ni)-10×(%Cu)-5×(%Mo+%W)+15×(%Co)+30×(%AI)

■ 溶接材料

金型の補修に用いる溶接棒は、金型の負荷の大小および指向性によって選択する事が必要です。即ち、摩耗の著しい所には強靱で硬度の高いもの(JSE-F-1700)、亀裂の発生した個所には少し軟らかいもの(JSE-F-1250)、その中間個所には靱性のあるもの(JSE-F-1400)を使用します。
熱間鍛造用金型は、熱負荷(サーマル・ショック)が特に著しいので、補修する金型と溶接棒の熱膨張係数が同一または近似値であることが大切です。
上記の溶接棒の熱膨張係数はSKD61と近似で、強度は熱膨張係数に変化を与えない炭素によって調整しています。

名称 jse-f-1250 jse-f-1400 jse-f-1700
組成 cr-mo-w*
(c:0.10)
cr-mo-w*
(c:0.18)
cr-mo-w*
(c:0.24)
適正 ・耐衝撃性良好
・型面底部の亀裂補修
・jse-f-1250と
jse-f-1700の中間
・耐摩耗性良好
・型面上部の摩耗補修
硬度(hrc) 36〜40 42〜46 46〜51
※ C以外の組成
(0.50%Si-0.85%Mn-4.50%Cr-0.25%Ni-1.40%Mo-1.80%W)

熱管理装置JSE-46

熱管理装置【JSE-46】 温度は全て自動制御されており、炉内で直接、保温しながら溶接が行えるような構造になっています。又、金型より温度を直接計測し制御しますので、誤差のない(設定値の±0.1%)シビアな熱管理が可能な、高性能で省エネタイプの装置です。もちろん金型溶接の熱管理以外にも残留応力の除去など幅広く使用できます。 ​

■ JSE-46の主な特徴

  • 耐熱・耐久性の優れた特殊なヒーターを使用しており、1200℃までの温度を制御することができます。
  • 高性能断熱材の使用により炉壁温度は100℃以下に保たれ、安全で経済的です。
  • サイリスターを使用した連続PID制御法を採用した結果、工場電圧の変動による炉温変化もなく、マグネット、リレー、ヒーターなどの寿命は大幅に改善されました。
  • トランスを使用しないので騒音は全くありません。
  • 軽量、コンパクトな設計なので広い場所を必要としません。(制御装置:幅800×奧500×高1050mm)
  • 複雑なヒートパターンもワンタッチで入力でき、全行程を自動制御できます。
  • 外注先の要求にも対応できるよう消費電力計および操業温度記録計が標準装備されています。