鋳巣などを充填封孔する有機含浸剤として古くは亜麻仁油、蜜蝋および漆などが使用されておりましたが、近年フェノール、ポリエステル、エポキシおよびアクリルなどの高分子樹脂が使用されています。
有機含浸剤は無機含浸剤に比べ、浸透性が優れ、かつ硬化時の収縮率が少ないので封孔特性が優れていますが、未だ完成品と言い難い諸問題を抱えています。即ち、浸透性、水洗性の改善、硬化時の発泡防止、収縮率の低減および保存安定性などであります。
弊社では今般、上記の点を鑑み、メタクリル酸エステルを主剤とする高性能の有機含浸剤(シールトップ100)を開発しました。尚、本剤には使用時、硬化剤(AIBN)を約0.4%添加して下さい。
主成分 | メタクリル酸エステル |
---|---|
色相 | 透明 |
比重(25℃) | 0.996 |
粘度(cps/25℃) | 7.5 |
pH | 5(50%水分散液) |
引火点(オープンカップ) | 105℃ |
臭気 | 軽微(刺激臭なし) |
螢光剤 | 有 |
水溶性 | 分散 |
硬化時間 | 5分9秒(90℃) 3分55秒(100℃) |
硬化時の収縮率(%) | 9.1(7.3無機繊維添加) |
150℃における重量減少率(%) | 23.6(輸入品:37.6/7日) |
鉛筆硬度 | B |
耐熱性 | -50℃〜250℃ |
密着力(kg/cm2) | >65〜75 |
耐圧力(kg/cm2) | 130 |
保存性(+AIBN:35℃) | Cu、Zn、AI片入:>6日 |
保存性(<30℃) | 12ヶ月(屋内保管) |
硬化剤(AIBN・・アゾビスイソブチロニトリル)は劇物ですので、取り扱いの際は必要に応じて保護メガネ・保護マスク・ゴム手袋を着用し、皮膚に付いた時は石鹸で洗い落として下さい。尚、貯蔵に関しては冷暗所に保管下さい。